増大する「検査難民」

厚生労働省は3月4日、新型コロナウイルスに感染したかどうかを調べるPCR検査が6日から、健康保険適用となった。しかし、未だに、PCR検査を受けたいのに受けられない「検査難民」が続出しているのは、ご承知の通りである。

 

検査ができる医療機関は、全国860カ所の医療機関に設けられた「帰国者・接触者外来」の医師に限られている。発熱があって感染を心配する患者は帰国者・接触者外来を訪れて、医師の診断を受ける必要があるが一般に公開されていない。所在や電話番号を知るには、保健所の帰国者・接触者相談センターに電話して、教えてもらうしかない。

 

流れとしては、患者が保健所のセンターに相談して、帰国者・接触者外来の電話番号を教えてもらい診察を予約する。そこで、医師が「検査しましょう」と判断して初めて、PCR検査を受けられる仕組みである。

 

保険適用で、前進したかのように見えたが、「保健所を通す」ことや「医療機関を限定する」点では、何も変わっていない。ようするに、PCR検査にたどり着くのは、相変わらず容易ではない言う事実は全く変わっていない。