日本政府の整合性のない「水際大作戦」

日本政府の「場当たり的」な「何の整合性のない」「水際大作戦」が功を奏し、日本国内における感染者が400人超。

 

海外メディアからも、「染拡大の第二の震源地を作った」などと批判が向けられている。また、危機管理の専門家の言葉を引用し、日本政府の対応を「公衆衛生の危機対応で『こうしてはいけません』という教科書の見本のような対応」と評した。

 

危機管理対応の鉄則は、「予め想定される危機に対して事前に対応策を講じ、優先順位を決め速やかに対応し、危機を最小限に食い止める」ことである。これこそが、「水際対策」である。

 

日本政府の場当たり的な危機対応は感染を拡大させた。典型的な例としては、中国渡航歴のない人でも疑わしい症状のある人にはPCR検査すべきところ、厚労省はあくまで中国渡航歴のある人に限定し、検査を受けられる体制をつくろうとしなかった。12日になって、ようやく「各自治体の判断で一定の症状がある方に対して検査が可能である」と方針を変更したが、対応が遅すぎた。後の祭りである。

 

ダイヤモンド・プリンセス号の乗客やスタッフに対しても同様である。乗船客のなかには、早くから「検査を受けたい」という声が上がっているにも関わらず、全員検査を行う事はなかった。

 

厚労省は「対象者が多い」ことをその理由に挙げ、「現状では厳しい」という認識を示していたが、13日放送『モーニングショー』では、医療ガバナンス研究所理事長の上昌広医師が、ウイルスのPCR検査というのは日常的に行っており、国立感染症研究所や地方衛生研究所だけではなく民間の検査機関を使えば、全員検査はすぐにでも可能であるとの見解を示していた。

 

さらに万単位の検査も「(政府が)やる気になればすぐできます」「1週間とかのオーダーでできると思いますよ」と断言している事から、厚労省が言う、「対象者が多い、試薬が足りない、現状では厳しい」とは言えない。

 

更に、バイオ事業会社であるタカラバイオは中国・大連市からの緊急要請を受けて、新型コロナウイルスの検査試薬の生産量を従来の50倍となる1週間あたり25万検体分まで増加。同社は「日本国内でも政府、自治体、民間企業からの要請があれば供給可能」と答えていた。

 

つまり、「対象者の多さ」や「試薬不足」はクリアできるにも関わらず、それをしない理由としては、「民間検査には金がかかる」。

 

事実、厚労省幹部は「民間での実施は費用が高額になる」とコメントしている事から、費用がかかるから検査はしない。パフォーマンスはするが、命は救わない。政府は、国民の健康や生命を本気で守るつもりはない。自分の身は自分で守るしかない。そして…全ての情報を鵜呑みする事なく、出てくる情報を精査し、最終的な判断は自分でしなければならない。