殺傷犯から身を守る

   情緒もしくは精神がなんらかの理由で錯乱状態にある相手を、米国警察「EDP(Emotionally Disturbed Person)」、日本では「MD(Mental Deranged)」と呼ばれています。ここで述べる「EDP」とは医学的視点とは異なり、あくまでも錯乱状態になった状態で自他及び第三者を傷つける恐れがある状態に陥った相手として扱います。

 

   2008年に起きた「秋葉原通り魔事件」や2012年に起きた「大阪通り魔事件」、近年では2019年5月に起きた川崎殺傷事件など、これらの凶悪事件は、情緒もしくは精神錯乱傾向にある人間の犯行と捉えることができます。

 

   私も仕事がら「EDP」遭遇する機会は決して少なくはないです。しかし、一般の方々においては、「EDP」に遭遇する確率は極めて低いと思いますが、「EDP」とは具体的にどのような言動や行動を起こすのかを理解しておくことが重要です。

 

 ここで注意しなければならない事は、勝手な思い込みで「EDP」と診断せずに、客観的に相手の言動や行動を観察する事な重要です。中には、薬物やアルコールの影響を受けている場合や、精神的な疾患である場合も少なくないからです。

 

「EDP」と思われる言動や行動
1、大声や奇声
2、衣類に普通ではない乱れがある
3、幻覚や妄想が感じられる言動
4、つまづく、ふらつく、よろめきながら歩く
5、潤んで血走った眼
6、瞳孔の拡大や収縮
7、立つ、歩くといった簡単な行動が難しい
8、違和感をもたせる、消極的もしくは過激な言動
9、警察官の指示に従うのが難しい
10、吸引式の薬物や酒類の臭いが相手の吐息に感じられる

 

 被害者にならないためには、「EDP」と思われる人物に出くわした場合は、決して傍観することなく、その場を離脱する事が一番最初に取るべき行動です。

 

※ 本文は米国機関やシークレット・サービス、FBI、ロス市警などで採用されている「脅威査定」の手法を中心に記載しています。