コミュニケーションを図る方法

コミュニケーションの上手い下手は、話す内容や話方だと思っている人が多いようですが、実はほとんどの場合、相手の話しているときの様子や仕草、雰囲気でで第一印象は出来上がっています。つまり、言葉によって相手に好印象を与えようと思ったときは、すでに遅しということです。

 

そこで、重要になってくるのが、「ラポール」という技術です。ラポールという言葉は、「調和と友好的な関係の構築、回復」というような意味のフランス語=Rapprochement(ラプロシュマン)からきている。

 

つまり、よいラポールを構築することによって、互いへの信頼と合意、協調性に基づいた関係を築き、開かれた心を持って相手の考えに耳を傾けることができるようになる。

 

ラポールはあらゆるコミュニケーションの土台となる。簡単に説明すると、「相手が好む方法に合わせてコミュニケーションをする」ということである。

 

相手に合わせることにより、相手が言葉以外の意思表示方法(ノンハーバルな部分)と同じ方法で、あなたも自分の思いを表現するので、あなたの言いたいことが相手に伝わりやすくなるわけです。

 

もう一つは、同じ方法でコミュニケーションすると、意思表示の仕方が似通ってきて、「私もあなたと同類」というメッセージが発せられる。

 

人は自分と似た人を好む。人が世界で一番好む相手は誰かといえば、自分自身である。もっと簡単に説明すれば、「この人は私のことを理解してくれている」と相手に思わせるテクニックです。ラポールの実践方法はいくつかありますが、ここではもっとも簡単な方法をいくつか紹介します。

 

① 会った瞬間に相手の長所や褒めると喜ぶところを見極める。

初対面の相手と話すには何かと不安な部分があります。もし、外見が怖かったとしても、外見と違い心が優しいかもしれない。部下や後輩のために真っ先に力になってくれる人なんだろう・・・など、できる限り長所を見つけるようにすると、相手に対して好感がわいてきます。

 

② ダイレクトに褒めるのではなく、客観的な視点で褒める。

人は誰でも、ダイレクトに褒められると逆に警戒心がわきます。褒める場合は、相手を客観的な視点で褒めることです。「よく、肌が綺麗って言われませんか?」「よく、優しいって言われませんか?」など、相手の自信がありそうなところや、そう見られたいところを褒めると喜びます。

 

③ 相手のウィークポイントを長所のように褒める。

相手に特別な印象を与えようと思うのなら、他の人とは着眼点が違うと思わせるとよいでしょう。例えば、美人だが、とてもきつい感じでとっつきにくい女性には、「とても親しみやすい人ですね・・・」、根暗に見える女性には、「一緒にいると心が晴れ晴れしてくるね・・」などと言ってあげると、とても喜びます。人は自分の新しい側面を認めてくれる人に信頼を置きます。

 

④ 相手と同じように話す。(口調、スピード、大きさ、表現方法、呼吸など) 

人は誰でも、自分に似ているいる人に好感を持つことは先に書きました。しかし、相手のことは一切お構いなしに自分のペースや、自分の波長で話そうとする人は少なくありません。そこで、相手の心をつかむためには、相手と同じような口調、スピード、大きさ、表現方法、呼吸などを同調させることです。これらのことに気を使い話すことにより、より一層、コミュニケーションを図ることに繋がります。